【モロッコ・マラケシュ】迷宮のような市場で五感が目覚める「スーク」の世界

「迷い込む」という言葉が、これほどワクワクする場所が他にあるでしょうか?
モロッコ・マラケシュにある「スーク(市場)」は、まさに“迷宮”という表現がぴったり。細く入り組んだ路地の先には、職人の工房、スパイスの山、カラフルなランプ…。すべてが目新しく、まるでアラビアンナイトの世界に足を踏み入れたような感覚になります。
市場の入口「ジャマ・エル・フナ広場」
マラケシュの旧市街の中心に位置する「ジャマ・エル・フナ広場」は、昼も夜も活気にあふれる人々の交差点。昼はフレッシュジュース屋やヘナタトゥーの職人が並び、夜になると屋台が立ち並び、煙と香辛料の香りが広がります。
大道芸人、猿使い、音楽家なども集まり、そのにぎわいはテーマパークのよう。ここから細い道に入ると、いよいよ本格的な「スーク」が始まります。
ジャンルごとに異なる“市場の顔”
スークは商品ジャンルによってエリアが分かれています。たとえば:
- スパイス市場(スパイス・スーク):サフラン、クミン、シナモンなどの山がカラフルに並び、香りが混ざって異国情緒たっぷり。
- 染織市場(スーク・デ・テキスタイル):ベルベル柄の布やスカーフが天井から垂れ下がり、光が布越しに差し込む幻想的な空間。
- 金属市場(スーク・デ・フェール):銅製ランプや鍋、トレイなどがずらりと並び、トントンと作業する職人の音が響きます。
歩くだけで五感が刺激され、「見る・聞く・嗅ぐ・触れる・感じる」をフル活用する体験ができます。
値段交渉は市場の醍醐味
スークでは値札がないことが多く、値段交渉は基本。観光客には高めに提示されることもありますが、それも含めて「やり取り」を楽しむのがスークの文化。笑顔でやり取りをしていると、売り手の方からお茶を出してくれることも。
「欲しくなったら買う」のではなく、「会話の中で手に入る」という体験が、より一層思い出を濃くしてくれます。
おみやげに人気のスーク雑貨
マラケシュのスークで人気のおみやげには、以下のようなものがあります:
- ハンドメイドの革製バブーシュ(スリッパ)
- 銅や真鍮のティーポットやトレイ
- モロッコ刺繍入りのクッションカバー
- サボテンオイルなどのコスメ
- ミントティー用のグラスセット
軽くて持ち帰りやすいものも多く、旅の余韻を自宅で楽しむのにもぴったりです。
市場で、旅が深くなる
マラケシュのスークは、観光地でありながら、今も“生きた商売”の場です。人々の息づかいや、商品へのこだわりに触れることで、その国への理解が深まる感覚があります。
旅先で「その土地らしさ」を味わいたいなら、スークのようなローカル市場は、外せない場所のひとつです。